大関高安、出身地土浦でハッスル 横綱白鵬とぶつかり稽古「地元は温かい」
大相撲冬巡業は22日、茨城県土浦市で最終日となり、同市出身の大関高安(28)=田子ノ浦=が大歓声に応えてハッスルした。
会場に登場するや、拍手が鳴りやまず、ハイタッチしながら稽古場入り。その後、稽古中にも写真、サインを求められる程のフィーバーぶり。
大関栃ノ心(春日野)と三番稽古し、6勝6敗。12番の力勝負の熱戦で沸かせた。最後は志願して横綱白鵬(宮城野)の胸を借りてぶつかり稽古。6分間、何度も転がされ泥まみれになりながら、横綱の胸に突撃。「高安頑張れー」のエールに応えた。
「たくさんの方に来て頂き直接、励ましの言葉を頂いた。なかなか帰って来られず、巡業で帰ってきてほっとしている。地元は温かい」と感謝しきり。
今年1年は12勝3敗の優勝次点が3度。あと一歩、優勝に手が届かず、故郷のファンにも歯がゆい思いをさせてきた。この日も「早く優勝して」との声が多く「期待を改めて感じた」とうなずいた。
九州場所ではトップで並んでいた千秋楽で敗れ、小結貴景勝(千賀ノ浦)に優勝を許した。冬巡業は自身を見つめ直し、体作りを入念に行い、ケガなく完走した。
「今年はケガで思うように相撲が取れなかった。そういうのを含めて1年、大関を務めて分かったこともある。2019年初場所(来年1月13日初日、両国国技館)に向けてやりたい。上を目指して応援してくれる人に恩返ししたい。優勝して一つ上に上がる」。来年こそ初優勝を誓い、そしてその先の横綱を視野に入れた。
「大関に駆け上がっていた頃の相撲を取りたい。大関らしい、僕の持ち味は攻める相撲。また一から作り直したい」。平成生まれ初の関取と世代の先頭を引っ張ってきたが、その平成もあとわずか。貴景勝、阿武咲(阿武松)ら若手の台頭も著しい。「自分も20歳で関取になった。上を食ってやると思い15日間取っていた。下からはい上がるお相撲さんは僕に刺激をくれる。負けていられない」と若手の壁になる。
土浦では2010年秋巡業で横綱白鵬の胸を借りた思い出がある。翌九州場所で新十両に昇進したが、当時はまだ幕下の黒まわし。「若い衆の時に稽古を付けてくれたのを思い出した。その頃から胸を借りて強くなった。感謝の気持ち。(この日も)地元だから胸を借りました」と、8年ぶり万感を込めた。
温かい地元でパワーをもらい、初場所こそ悲願へ一直線。「れんこんで有名。小さい頃からたくさん食べた。きのうも食べました」と、土浦のアピールも忘れなかった。