白鵬が横綱ただひとり、巡業完走 手術の右膝は順調回復「充実した稽古だった」
大相撲冬巡業が22日、茨城県土浦市で打ち上げられ、白鵬(33)=宮城野=は横綱でただ1人、初日から完走を果たした。右膝手術の影響で九州場所は全休。患部は万全ではなかったが、巡業では毎日、土俵回りで基礎運動を繰り返し、体を作った。前日21日には3カ月ぶりに相撲を取る稽古を再開させ、順調な回復を見せた。
「(膝は)大丈夫。本当に毎日、基本を中心に汗をかいた。きのう、実戦を3カ月ぶりにできた。やりきった。濃い、充実した稽古だった。11月場所、最後に出られなかった。責任を感じていた。巡業は本場所に続く2番目の大きな仕事なので」と納得顔で語った。
終盤3日だけ巡業合流した横綱鶴竜(井筒)から「長い間、お疲れ様でした」と声をかけられると、「短い間、お疲れ様でした」と返すなど冗舌だった。
今年は秋場所で全勝優勝し、大鵬を越える13年連続優勝を果たした。「感慨深い。人間やればできる。ケガも多くなっているけど付き合いながらやって13年。考え方、稽古の仕方など理にかなっていて、自分の体と心が合った」と大記録達成をかみしめた。
将棋界では21日、竜王戦のタイトルを失った羽生善治九段が27年ぶりに無冠となった。王者として君臨する者だから分かる強さに関し「(1度の)勝ちは運がある。ずっと勝ち続けるのは外から見られる立場になる。勝って当たり前というのは別物」と持論。自身は「土俵を離れていかに相撲を考えるか。生活、食事、人との出会い。17歳の時にそれに気付き、1年後に関取になった」と、トップを持続するための心構えを語っていた。