中学生4回転ジャンパー誕生、14歳・佐藤駿「うれしい」 羽生より若く初成功
「フィギュアスケート・全日本選手権」(22日、東和薬品ラクタブドーム)
男子ショートプログラム(SP)が行われ、全日本ジュニア選手権2位で出場権を得た中学3年生の佐藤駿(14)=埼玉栄中=が、冒頭で4回転トーループを成功させた。予定の連続ジャンプにはならなかったが、2・04の高い出来栄え点を獲得。全日本の大舞台では異例の中学生4回転ジャンパーが誕生した。
「緊張しました」と汗をぬぐった佐藤は、大技成功に「うれしいです」と初々しい笑顔を見せた。五輪2大会金メダリストの羽生結弦と同じ仙台市出身で、5歳でスケートを始めた。現在は埼玉県上尾市を練習拠点にし、今夏に初めて4回転に成功。憧れの羽生が初めて試合で4回転を決めたのは高校1年、15歳のNHK杯だった。また、10代で4回転を跳んだ本田武史も14歳で優勝した96年の全日本選手権で4回転を跳んでおらず、佐藤は異例の若さでの成功者となった。
今回はジュニアの代表として「4回転を入れないと勝てない」と果敢にシニアに挑んだが、続くトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒するなどその後のジャンプにはミスが出た。「悔しい結果が多かった」と喜びとともに反省しきり。SP16位で24日のフリーへ進み、「他のジャンプも決めて、挽回したい」と抱負を語っていた。