川井梨ピリピリ「何とも言えない」 4度目対決で伊調から初白星も
「レスリング・全日本選手権」(22日、駒沢体育館)
19年世界選手権代表選考会を兼ねて行われ、女子57キロ級の1次リーグ初戦で五輪4連覇の伊調馨(34)=ALSOK=と、リオデジャネイロ五輪63キロ級金メダルの川井梨紗子(24)=ジャパンビバレッジ=が対戦し、川井梨が2-1で勝利した。2人は準決勝を勝ち上がり、23日の決勝での再戦が決まった。
五輪女王対決を制した川井梨だったが「何とも言えない」と表情は硬いままだった。1次リーグ初戦で伊調と対戦。互いにタックルに入れない慎重な展開に終始した。2-1で競り勝ち、4度目の対戦で初めて伊調を下したが、「今は終わったばかりなので何も考えられない」と喜びを語ることもなかった。
再戦の可能性を意識してか、手の内を隠すように持ち前の積極性は影を潜めた。それでも「あれが自分。見ている方とやっている方は違う」と語る姿からは、張り詰めた緊張感がにじみ出た。
伊調とは23日の決勝で再び顔を合わせる。注目の大一番に向けて「(伊調)馨さんとの対戦で少しでも盛り上がれば」と意気込んだが、伊調の名を口に出したのは一度きり。最後は協会側が時間を理由に会見を打ち切った。「優勝が目標」と言い切る現役世界王者が、世代交代を突き付けることができるのか。