「フィギュアスケート・ロシア選手権」（２２日、サランスク）

　女子フリーが行われ、ＳＰ首位だった平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ（１６）はフリーでまさかのミスを連発し、２１２・０３点で５位に終わった。４回転ルッツを決めたアンナ・シェルバコワ（１４）が２２９・７８点でＳＰ５位から逆転優勝。同じく４回転ルッツを決めた世界ジュニア女王のアレクサンドラ・トルソワ（１４）が２２９・７１点で２位、ジュニアＧＰファイナル優勝のアリーナ・コストルナヤ（１５）が２２６・５４点で３位と、驚異のジュニア勢が表彰台を独占した。ＳＰ１４位と大きく出遅れた平昌五輪銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワ（１９）は、意地の巻き返しで２０５・９０点で７位となった。

　ＳＰでどん底を見た元世界女王の意地がさく裂した。メドベージェワは１度の転倒はあったものの、情感を込めた魂の演技で演技を完遂。全盛期の輝きとはいえないまでも、復活ののろしといえる内容に、キスアンドクライではブライアン・オーサーコーチと拳を握って、記念撮影した。

　ロシアの国営メディア「タス通信」によると、メドベージェワは「演技の前は膝が震えた。誰もが思っていたと思うけど、私は心理的な問題を抱えていた。でもすごくうまく演技できた」と、納得の様子で演技を振り返った。

　国民的ヒロインの復活に、浅田真央らも指導したロシアの名コーチ、タチアナ・タラソワ氏も興奮。ロシアメディアの「Ｓｐｏｒｔ．ｒｕ」によると、タラソワ氏は「よくできました。ジェーニャ（メドベージェワの愛称）、よくやった！」と感動。「感動的な復活の瞬間。困難な時期に彼女と一緒にいてくれたブライアン・オーサーに感謝したい。なぜなら、アスリートは不振や転倒を経験しなければならないから。これらの問題から抜け出せた人間は、より偉大で愛される存在になる」と、喜びを口にしたという。