倉敷2年ぶりV 豪雨で練習拠点使えず…チーム一丸で乗り越えた
「全国高校駅伝・男子」(23日、西京極陸上競技場発着、男子7区間42・195キロ)
男子は倉敷(岡山)が2時間2分9秒で2年ぶり2度目の優勝を飾った。世羅(広島)が2位で、学法石川(福島)が3位。女子は神村学園(鹿児島)が5区で逆転し、1時間7分25秒で25度目の出場で初制覇。長野東(長野)が2位。2連覇を狙った仙台育英(宮城)は3位だった。
師走の都大路に2度、神風を吹かせた。倉敷の3区、ケニア人留学生のキプラガットが7人抜きの快走で首位に浮上すれば、トップを譲って迎えた6区では石原が世羅との17秒差を逆転。2年生の二枚看板が2年ぶりの戴冠へと導いた。
連覇に挑んだ1年前は6区で逆転を許した。復権を誓い、チームは元日に始動した。因縁の区間を任された石原は、準エースとして13秒差をつけてたすきをつなぎ「勝ちたいという気持ち。前にいる選手に向かっていった」と胸を張った。
キプラガットも負けていない。昨年の高校総体でマークした3000メートル障害のタイムは、17年世界選手権決勝の6位に相当。ワールドクラスの豪脚で、2位に35秒の差をつけたエースは「楽しかった」と涼しい顔で言ってのけた。
西日本豪雨の影響で、倉敷市内の陸上競技場が使えなかった。約1カ月間、周辺の道路などで鍛え上げた新監督は「『頑張っています』とアピールしたかった」と言葉を紡いだ。速さに強さも加わったチームは来年、再び連覇に挑戦する。