【記者の目】坂本Vの要因 課題の表現力が成長
平昌五輪代表の坂本花織(18)=シスメックス=が152・36点をマークしてショートプログラム(SP)に続いて2位となって逆転し、合計228・01点で初優勝した。坂本は日本スケート連盟の選考基準を満たし、世界選手権(来年3月・さいたま)の代表入りを決めた。
SPとフリーの両方をそろえてこそ強い。そんなフィギュアスケートの“本質”が詰まった坂本の初優勝だった。坂本はSP、フリーともに2位と安定。総合2位の紀平はSP5位と出遅れ、宮原もフリーは4位だった。宮原と紀平を指導する田村岳斗コーチも「2日間通して坂本選手はミスなくやって、うちは宮原は今日、紀平はSPでミスをしてしまった」と振り返った。
表現面を課題に挙げていた坂本の成長も光った。平昌五輪出場によって“格”もつき、表現力を表す5項目の演技構成点は宮原に次ぐ2番目の高得点。多くの要素で出来栄えによる大きな加点を得ていることも高得点につながった。
紀平はトリプルアクセルという大技があるだけに逆転の可能性は感じさせたが、8点差はやはり大きい。宮原は表現力は断トツだけに、完璧に滑ってこそ良さがより生きる。優勝争いをするためにはジャンプのミスは避けたかった。(デイリースポーツ・フィギュアスケート担当・國島紗希)