高梨沙羅 今年の漢字は“蓄”「いろんなことを蓄えられた年」
ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(22)=クラレ=が24日、欧州でのW杯遠征から羽田空港に帰国した。平昌五輪で銅メダルを獲得した2018年を表す漢字として「蓄」を選び、「いろんなことを蓄えられた年」と総括。平昌五輪後は一からジャンプの改善に取り組んでいるだけに「いろんなことに挑戦しているので、それが少しでも実ってくれたらいい」と、19年に向けて“ニュー沙羅”への進化を誓った。
高梨にとって18年は、苦難も喜びもすべてを「蓄」えた1年だった。昨季は試行錯誤を重ねながら2月の平昌五輪を迎えたが、大きな重圧を乗り越えて銅メダルを獲得。3月には史上最多となるW杯55勝目も挙げた。
「長年の夢が一つかなったが、目指していた金メダルには届かなかったので、また次の4年頑張ろうとモチベーションを高めてくれた一年だった」と振り返った。
“まっサラ”な状態から22年北京五輪での金メダルを目指している。平昌後は以前のジャンプを一度解体。特にアプローチ(助走路)の滑り方の改善に取り組んでおり、「攻めすぎなくらい挑戦しないと変化はない。女子ジャンプのレベルが上がってくる中で、それを追い越すくらいの変化が必要だと思っている」と強い覚悟を明かした。
気配りも忘れない。この日はクリスマスイブとあって、約20人の報道陣に対し、遠征先で購入したスキー板ならぬ“板”チョコを一人一人に手渡しでプレゼント。沙羅サンタは「いいクリスマスをお迎えください」と周囲を和ませた。
年末年始は地元札幌で過ごし、年明けは国内大会を挟んでW杯・札幌大会(1月12、13日)に出場する。今季は世界選手権(2~3月、オーストリア)が当面の目標だが、「一番(のテーマ)はジャンプをばらして組み直すことなので、そこを中心にやっていきたい」。4年後に向けて、結果以上に内容にこだわるシーズンと位置づける。