稀勢の里「初日目指す」玉砕覚悟で初場所出陣 異例会見!退路断った
右膝負傷で先場所を途中休場し引退危機の横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦=が25日、新番付発表に合わせて都内の部屋で会見し、進退の懸かる初場所(来年1月13日初日、両国国技館)に出場する決意を示した。8場所連続休場が始まった昨年夏場所以降、番付発表日に会見を開くのは初めて。冬巡業を全休するなど調整遅れは必至ながら、退路は断った。復活か玉砕か-。初日まであと18日。相撲人生を懸けて第72代横綱が出陣する。
急きょ組み込んだ新番付会見は、稀勢の里のケジメだった。部屋に大挙した報道陣50人超を前に、冬巡業を全休したお詫(わ)び、そして、退路を断ち、初場所に出場する決意を明かした。
「いい状態に仕上げて初日を目指す」
「しっかりと調整して、一日一番、しっかりいい相撲を取れるように」
“ぶっつけ本番”も覚悟だ。「相撲を取ってみないと分からない」と先場所負傷した右膝に不安を残す。年内には相撲を取る稽古を再開する意向だが、調整の遅れは否めない。
一方で1カ月、体作りとリハビリに専念。「相撲以外の部分は仕上がってきた。あとは相撲を取って、切れ、感覚、いい部分を伸ばしていきたい」と肉体の仕上がりには自信をのぞかせた。
休場はもう許されない。8場所連続休場から再起した秋場所で10勝を挙げた。しかし先場所、横綱として87年ぶりとなる初日から4連敗を喫し5日目から休場。場所後の横綱審議委員会では初の「激励」を決議され、初場所出場も厳命された。初場所で結果が出なければ「引退勧告」は避けられない。
決議が持つ重さも承知する。「しっかりと受け止めて稽古に励み、初場所でいい成績を残すのが大事」と背水の出陣となる。
2018年は秋場所以外はすべて休場。「調整が思うようにいかず、9月はたまたま勝てた。今年は本当に悔しい思いをしたから来年はいい年にしたい」と汚名返上を期す。
復活へ相撲人生のすべてを懸ける。「もう一度いい時を思い出す。若い時もそうだし、いろいろ経験させてもらった。いいところも悪いところも生かしてやる」。横綱昇進後、途中休場した5場所はすべて初日に黒星を喫した。初日が大事かと問われると「大事だと思います」とキッパリ。新番付では10場所ぶりに番付最高位の東正位横綱に就いた。第72代横綱の勝負魂は燃えさかっている。