大阪桐蔭が圧倒4強!近畿対決制す 100キロ超え重量級2年生コンビ大暴れ
「全国高校ラグビー・準々決勝、大阪桐蔭38-17報徳学園」(3日、花園ラグビー場)
準々決勝4試合が行われ、悲願の初優勝を目指す前回準VのAシード大阪桐蔭(大阪第1)はBシードの報徳学園(兵庫)を38-17で下し、2大会連続3度目の準決勝に進出した。プロップ江良颯(はやて)とフランカー奥井章仁の“2年生コンビ”が2トライずつ挙げる活躍でチームをけん引した。5日に行われる準決勝は抽選の結果、大阪桐蔭は初の4強入りを果たした流通経大柏(千葉)と、桐蔭学園(神奈川)は東福岡と対戦する。
巨体に似合わぬ軽やかなステップで花園の芝を駆け抜けた。体重110キロの江良と107キロの奥井。大阪桐蔭の“重量級2年生コンビ”が計4トライを挙げ、昨春の近畿大会決勝で一蹴した報徳学園を返り討ちにした。
前半6分に先制トライを挙げた奥井は、同22分にも右中間のラックから軽快なステップとハンドオフで抜け出すと約30メートルを独走。前回大会は1年生ながら主力として準優勝に貢献した高校日本代表候補は「縦ばかりじゃないところも見せられて良かった」とはにかんだ。持ち前の巨体は幼少期からで小学6年時には170センチ、80キロに達していた。小学時代ラグビーの他にソフトボールにも親しんだ経験が「ハンドリングに生きている」という。
26-7で迎えた後半2分には、高校日本代表候補の江良がゴール下に飛び込み花園初トライを決めると、9分後にも再び左中間へ豪快に飛び込んだ。中学時代はSOながら既に体重80キロ後半で「体重を落とすより食べる方が楽。器用なプロップを目指そうと思った」とFWに転向し、最大1日7食でチーム最重量にまで成長した。
綾部正史監督(43)は「フロントローであれだけ動けてディフェンスもできれば十分」と江良の働きに目を細め、奥井についても「将来を考えていろんなポジションを経験すれば幅も広がる。センターでもできる」と潜在能力を高く評価する。
悲願の日本一まであと2勝と迫った。江良は2つ上の兄楓(立命大)が前回大会決勝で涙をのんだだけに「お兄ちゃんの分まで全国大会で優勝しようと思ってきた」と決意をにじませた。平均体重95キロの超大型FWで平成最後の頂点に駆け上がる。