稀勢の里を同期のライバル琴奨菊、豊ノ島が援護 非公開で稽古「3人でやろう」
「大相撲初場所」(13日初日、両国国技館)
右膝負傷で先場所を途中休場し初場所に進退が懸かる横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦=が6日、再起へ向け、同期生の強力援護を受けた。都内の田子ノ浦部屋に出稽古に来た幕内琴奨菊(34)=佐渡ケ嶽、十両豊ノ島(35)=時津風=と申し合い。稽古は非公開だったが約15番、全員が存分に力を出し切った。
3人はともに02年入門で04年に新十両。出世を張り合い、番付を駆け上がってきた。若い頃は元幕内片山(09年引退)も加え、4人がライバル関係。稀勢の里は「この3人と十両上がって、巡業では毎日(稽古を)やった」と、懐かしんだ。
琴奨菊が「あの頃を思い出して3人でやろうよ」と言いだし、豊ノ島から話を持ちかけられた稀勢の里が「ぜひやろう」と快諾して実現した。
「昔を思い出しながら。相撲的にも力を抜かずに最後まで必死に来てくれたからいい稽古になった。最後まで力を出し切ったので一番いい稽古になった。昔以上に必死だったかもしれない。楽しかった。久しぶりにそう思った」と、稽古後は笑みを浮かべた。
二所ノ関一門でともに大関だった頃、最高の好敵手として張り合った琴奨菊。平幕に落ちたが、初場所は再び対戦する番付まで戻って来た。「今年1年飛躍するために新たな気持ちになるために。何かを感じるために来た。もう1回(本場所で)当たれるように。1回振り返るのも大事。自分も負けたくない気持ちでやっている」と勝負魂に火が付いた。
豊ノ島は先場所、2年ぶりに十両復帰。目標の再入幕へまだまだ燃える。「(稽古するのは)めちゃくちゃ久しぶりだな、と横綱とも話した。雰囲気が良く懐かしい感じがした。肌を合わせてやったことが刺激になった」と力を込めた。