第９８回全国高校ラグビー大会は７日午後２時から、東大阪市の花園ラグビー場で大阪桐蔭（大阪第１）－桐蔭学園（神奈川）の決勝が行われる。悲願の初優勝を目指す大阪桐蔭は６日、東大阪市内で最終調整し、ラインアウトなどセットプレーを入念に確認。決戦には甲子園で史上初となる２度目の春夏連覇を達成した同校野球部も応援に駆け付ける予定で、史上初の同一年度花園＆甲子園Ｖを成し遂げる。桐蔭学園は神戸市内で練習し、最後はボールを使わない“エア・ラグビー”で締めた。

　練習最後の円陣で、大阪桐蔭の主将ＣＴＢ松山千大（３年）が「あと一つやぞ。最後まで楽しんでやるぞ」と声を掛ける。ＷＴＢ兼久浩太朗（３年）が「俺らは大阪を背負ってるんや」と叫ぶと、なぜか爆笑が巻き起こった。大一番を前にしても、持ち味の明るさは失われていなかった。

　悲願の日本一に挑む最終決戦には、今年度の甲子園で史上初となる２度目の春夏連覇を達成した野球部が昨年度に続き応援に駆け付ける。プロ入りした根尾昂（中日）、藤原恭大（ロッテ）ら４人は不在だが、頼もしい援軍に松山は「去年は負けた姿を見せてしまったので今年は勝って喜びたい」と誓いを立てた。

　高校野球界に君臨する野球部に対して、松山は「プレッシャーがある中で結果を残している」と尊敬のまなざしを向ける一方で、「悔しさもあった」と胸の内を明かした。全国優勝を成し遂げ、クラスメートの藤原や柿木蓮（日本ハム）らに肩を並べる。

　３年生にとって高校生活最後の練習は恒例の“儀式”で締めくくられた。部員７０人が左右に分かれて花道を作り、タックルダミー目掛けて部員が次々と突進した。しんがりを務めた主将は「ファイナルに挑戦できるのは幸せなこと。力を出し切って終わりたい」と決意をにじませた。

　「いい空気を吸いに行こう」。綾部正史監督（４３）は準決勝後のミーティングでそう言葉を掛けたという。“桐蔭対決”を制し初めて立つ頂点の空気は、味わったことのないものになる。