「激励」決議の稀勢の里が初場所出場へ 「一番いい状態で臨みたい」と決意
「大相撲初場所」(13日初日、両国国技館)
右膝負傷で先場所を途中休場した横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦=が進退の懸かる初場所に出場することが10日、決定した。師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)が「本人は出る気。その前提」と明言。本人も「あとは本場所に臨むだけ」と不安なく、出陣態勢が整った。
この日は都内の部屋ですり足を約30分も入念に行うなど基礎運動で調整。相撲は取らなかった。
「俺的には軽め(の稽古)じゃない。非常に毎日いい稽古になっている。順調にやれた」と手応えを強調。初日に向け「集中してやるべきことをやっていく。自分の思い通りに近づいてきている。やってみないと分からない。まだ2日ある。一番いい状態で臨みたい」と決意をみなぎらせた。
先場所、横綱として87年ぶりとなる初日から4連敗し途中休場。場所後に横綱審議委員会(横審)が初めて「激励」を決議した。初場所で結果を残せなければ引退危機にさらに追い込まれる。
運命の進退場所へ冬巡業は全休し、じっくり患部を強化し、下半身を鍛えてきた。昨年末から部屋で連日、弟弟子の大関高安と約20番の相撲を取り、状態を上げた。
7日の横審の稽古総見では横綱鶴竜、大関豪栄道と申し合いで6番取って3勝3敗。息切れ、立ち遅れなどで周囲から不安視されたが、前日に評価を一変。二所ノ関一門の連合稽古で先場所優勝した新関脇貴景勝を8勝1敗と圧倒し、復調をアピールした。
親方は「自信を持って自分の相撲を取り切れば結果は付いてくる。受けないで攻める相撲を取れれば。気持ちも前向き」と復調に太鼓判。
10勝を挙げた昨年秋場所前と比べても前進を確信。「以前より比べものにならないくらい全然いい。気持ちも体も」と言い切った。
進退の懸かる場所。「横綱は一番上の位。上がった時から負けられない。今場所に限らずそのつもりで立っている」と代弁した。