羽生結弦が目指す“夢の4回転アクセル”は超ハイリスクハイリターン
平昌五輪フィギュア男子で66年ぶりに連覇を果たした羽生結弦(24)=ANA=が11日、来季の現役続行を表明した。都内での「テレビ朝日ビッグスポーツ賞」で大賞にあたる「ビッグスポーツ賞」を受賞。トロントで調整中のため表彰式に寄せたビデオメッセージで「来シーズンこそはGPシリーズでの優勝を目指します」と発言したもので、さらに「4回転アクセル込みのパーフェクトパッケージを目指します」と記した色紙も示した。この「4回転アクセル」は、まだISU(国際スケート連盟)公認大会では誰も成功していない、超高難度のジャンプとなっている。
まず、「○回転アクセル」というジャンプは、フィギュアのジャンプの中で唯一前向きに踏み切ることから、「○回転半」の「半」がつく。日本スケート連盟公式ウェブサイトにある「フィギュアスケート技の解説」でも「最高難度ジャンプ」と紹介されている。
今季では、GPシリーズのロシア杯フリーで、4回転アクセルにアルトゥール・ドミトリエフ(ロシア)が挑戦したが、転倒。回転不足によるダウングレード判定がなされ基礎点は3回転アクセルの8・00。さらにGOE(出来栄え点)で4・00点が減点され、この要素では4・00点しか得られなかった。
4回転アクセルは、基礎点が12・50点。もしGOEを得られなくても、3回転アクセルから基礎点だけで4・50点上乗せできる。ただし、失敗した時のリスクがとてつもなく大きく、転倒などで仮にGOEのスコアが最低の-5となると「-6・25点」の大減点となってしまう。ダウングレード判定がつけばさらに得点は下がるため、完成度の高い3回転アクセルを跳んだ方が、安定した成績を出せると言える。
羽生の言う通り、他の要素と合わせて成功させられれば、自己記録の合計297・12点超えどころか、300点以上や、さらなる高みにその名を刻み込むことになる。