ディアク氏「武田氏巻き込むのはばかげている」2度面会も五輪招致話し合わず
フランス捜査当局が捜査を始めた2020年の東京五輪招致を巡る贈収賄疑惑で、収賄側とされるセネガル人のパパマッサタ・ディアク氏(53)が12日までに共同通信の電話取材に応じた。贈賄疑惑が持たれている日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)について「2回会ったが、五輪招致について話したことはない」と述べ、疑惑を否定した。
ディアク氏は、国際オリンピック委員会(IOC)委員も務めたラミン・ディアク前国際陸連会長の息子。東京五輪招致委員会が13年、シンガポールのコンサルタント会社と契約して送金した計280万シンガポールドル(約2億2千万円)の一部を受け取ったとの疑惑を持たれている。
ディアク氏によると、同氏は09年、世界陸上選手権が開催されたドイツ・ベルリンのホテルのロビーで竹田会長と面会。13年のIOC総会で東京開催が決まった際にも竹田会長にお祝いの言葉をかけた。ただ「竹田氏は私の父とも誰とも(五輪招致を)話し合ったことはない」と述べ「(疑惑に)竹田氏を巻き込むのは、ばかげている。竹田氏は無関係だ」と語った。
ディアク氏はロシア陸上選手のドーピング隠蔽(いんぺい)に関わったとされ、汚職や資金洗浄の容疑で国際手配され、セネガルに滞在中。疑惑が報じられた16年以降、当局の捜査などを受けて旅券を取り上げられ、セネガルから出国できない状態だとしている。フランス当局の捜査は全く進展がないとして「失敗だ」と批判。疑惑の背景にはスポーツ界の権力闘争や人種差別があると主張し「スポーツ界で史上最大のうそだ」と訴えた。