天理大無念 あと一歩届かず…島根主将 日本一の夢後輩に託した
「ラグビー・大学選手権・決勝、明大22-17天理大」(12日、秩父宮ラグビー場)
明大(関東対抗戦3位、4位枠)が天理大(関西1位)に22-17で勝ち、1996年度大会以来、22大会ぶり13度目の優勝を果たした。7大会ぶりに決勝進出した天理大は84年度大会で3連覇した同大以来、関西勢2校目の日本一にあと一歩届かなかった。
届かなかった痛切な思いを、胸に刻んだ。天理大は歓喜に沸く明大陣営の集合写真を撮るシーンを全員が涙目で見た。小松節夫監督(55)は「目に焼き付けて、悔しさをバネに次にやっていこう」と訴えた。
意地を見せた。17点を追う後半29分、フッカー島根一磨主将(4年)が相手ディフェンスのタックルをものともせずこの日2つ目のトライ。同35分にも中央を大きくゲインしてトライにつなげた。5点差。だが最後は逆転の絶好機に味方のペナルティーで敗戦を迎えた。
FW平均体重は8キロ軽かった。それでもスクラムは優位に進めた。こだわりは膝下1センチ。準々決勝の大東大戦前に受けたOBの高部大志(25)=ヤマハ=の指導で、フランカー岡山仙治(3年)は「バック5は膝を(グラウンドから)1センチだけ上げる」と説明。低いスクラムは何度も反則を誘った。
7年前に帝京大に敗れて以来、2度目の決勝。準決勝ではその帝京大を圧倒。関東の相手にも戦える手応えはある。「下級生も多く残るので次に託したい」(島根)。日本一の夢は後輩たちが実現する。