竹田会長の一方的7分会見、メディアとJOC紛糾 世界の印象も懸念
2020年東京五輪招致の不正疑惑に関連し、仏司法当局から贈賄容疑で正式な捜査を開始された日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が15日、都内で会見を開いた。あらためて疑惑を否定するとともに「フランス当局と全面的に協力することを通じて、自ら潔白を証明すべく全力を尽くして参ります」と宣言し、事前の案内の通り、質問は受けずに約7分間で会見を終了した。質疑に応じなかった姿が世界中に伝えられることになるため、メディアからは答えられる範囲で質問に応じるべきではないかという声が相次いだ。
竹田会長は、東京五輪・パラリンピックの招致にあたった東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員の元理事長として出席。約7分、コンサルタント企業との契約が適切なものであったこと、日本の国内法でも適法で、さらなる調査は行われていないことなどを主張し、今後もフランス当局の捜査に協力し潔白を証明する旨を宣言して会見を終えた。
しかし、一方的な形で自らの主張を述べる形だったため、出席した約140人の報道陣からは疑問の声が噴出した。JOCの担当者が「本日の記者会見につきましては、東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会竹田元理事長から、先般出したコメントに加えまして、事実を直接説明したいということで開催いたしました。フランス当局が調査中の案件のため、慎重に検討した結果、現在お伝えできることを口頭でお伝えするのみということが適切な判断(という結論に)至りました」と説明したが、答えられない質問には答えなければよい、などの指摘が飛んだ。
当初は質疑応答を受けることも想定していたというが、報道各社に質疑を受けないと伝えたのは会見当日の午前2時ごろ。さらに、会見時間は30分間を予定していたが、実際に竹田会長が口を開いたのは約7分間だった。出席した約70社のメディアの中にはCNNやAFP、ロイターといった国際的なメディア・通信社の姿もあり、質問を受け付けない姿が全世界に伝えられうる。悪印象を人々に与えられることも十分に考えられる。
こうした懸念も含めて、担当者は会見後も説明を求められたが、ほぼ「フランス当局が調査中の案件のため、慎重に検討した結果」、「誤解を招くといけないので」などと答えるばかりだった。