組織委幹部「完全に逆効果」竹田会長の一方的主張会見を批判 五輪招致贈賄疑惑
2020年東京五輪招致を巡る贈賄の容疑者としてフランス当局から正式捜査を開始された日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)が15日、都内で記者会見を開き、開催都市決定の投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員を買収したとの疑惑について改めて潔白を訴え、捜査に全面的に協力する意向を示した。しかし、会見は仏当局が捜査中であることを理由に質疑応答がなく、一方的に竹田会長が主張を述べる形となり紛糾。逆にイメージダウンが避けられない状況となった。
フランス当局の捜査は長期化するとみられ、約1年半後に迫った五輪への悪影響が懸念される。会見では、外部調査チームが16年に公表した報告書に基づいて疑惑への関与を否定したが、東京五輪・パラリンピック組織委員会の幹部からは「イメージが悪過ぎる。完全に逆効果」と会見自体の意味を問う批判の声も上がった。
スポーツ庁の鈴木大地長官は「JOCが第三者の調査チームを立ち上げ、違法性がないということで終わったと思っていた。大変残念なニュースではある」と語った。今後の対応に関し「基本的にはJOCが対処していくべき問題」と指摘し、国としては推移を注視する考えを示した。
また、捜査開始が報道されるまで、竹田会長らから報告がなかったことも明らかにした。鈴木長官は東京の招致委員会の理事を務めていたが「(招致活動は)地道にやっていた。大きな動きは知らなかった」と説明した。
菅義偉官房長官は記者会見で「疑念を払拭(ふっしょく)できるよう説明責任を果たしていただきたい」と述べた。