稀勢の里、怪我に泣いた短命横綱 在位12場所、勝率わずか5割…不本意なまま力尽く
進退を懸けて大相撲初場所に臨んでいた横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦=が4日目の16日、現役引退を表明した。師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)が都内の部屋で対応。初日から3連敗を喫した15日夜に話し合い決断したことを発表した。
横綱としては不本意なまま力尽きた。在位12場所は昭和以降、10位タイの短命。横綱で8場所連続休場は三代目西ノ海に並び昭和以降1位。横綱休場率・818(初場所前まで)は年6場所制定着の58年以降、ダントツの高さで三代目若乃花の・500を大きく引き離す。
4日目の錦木戦が不戦敗となることで横綱在位中の勝敗は36勝36敗。横綱勝率・500も最も低い。
金星は12場所で計18個を配給。17年九州場所では01年秋場所の武蔵丸に並びワーストタイ1場所5個を配給。昨年初場所は30年10月、31年春場所の宮城山以来87年ぶり2場所連続で3日連続金星配給と、量産した。先場所も2日目から3日連続、今場所も2、3日目と金星を配給した。
大関としては後世に残る成績だ。大関31場所で2桁勝利は24度を誇りカド番はわずか1度。332勝133敗、勝率・714。優勝次点は12度(関脇時代1度含む)、優勝は1度。横綱昇進までは休場も14年初場所にたった1日という鉄人ぶりだった。16年は69勝を挙げ優勝なしで初の年間最多勝を獲得した。横綱級の強さを誇った大関が横綱では大成しなかった。