田子ノ浦親方 稀勢の里の決断にかける言葉が続かず「もっと続けてとは…」
大相撲の第72代横綱稀勢の里(32)=本名萩原寛、田子ノ浦部屋=が現役を引退することを16日、表明した。初場所4日目のこの日朝、都内の部屋で師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)が会見して発表した。
稀勢の里は初日から3連敗となった前夜、田子ノ浦親方と30分程度の会談。「引退させて下さい、引退します」と申し出たという。親方は「そうか、ご苦労さん」とねぎらったが、「それ以上の言葉はかけられなかった」という。
横綱昇進後の2年はけがとの戦いで、絶頂もどん底も味わった。「(横綱昇進は)うれしい面はあったけど本人はすごい格闘していた。あっという間だった」と目を潤ませた。ただ、限界まで戦い抜いた横綱の決断を尊重。「結果を出せるならもっとファンの方も私もやってほしいと思うけど。稀勢の里は我慢強い力士。引退というのは覚悟があった。それを思えばもっと続けてとはならなかった」と語った。