稀勢の里 けがの質問に絶句、涙がこぼれる「そこの部分ではなく…」
大相撲の第72代横綱稀勢の里(32)=本名萩原寛、田子ノ浦部屋=が16日、都内で引退会見を行った。
横綱に昇進後、左上腕や左大胸筋などの負傷で苦しみ続けた2年間。ケガに関する質問には多くを語らず、絶句する場面もあった。ケガをして感じたことを問われ、「そうですね…。一生懸命、やってきました」と言葉少な。回復具合についても「そうですね…。そこの部分ではなく…」と、絶句。苦悩が大粒の涙に変わり、頬をつたった。
勝負師として一切の言い訳をしない姿勢を貫いた。今場所の状態には自信を持っていたというが、「徐々に徐々に、良くなっては来ましたが、自分の相撲がとれなくなっているのは…。ケガをする前の自分に戻ることはできなかったです」と振り返った。
横綱在位は12場所と短命に終わった。悔しさを押し殺すように、「横綱として、皆さまの期待に沿えられないということは、非常に悔いは残りますが、私の…土俵人生において一片の悔いもございません」と心境を語った。