白鵬6戦全勝 世代交代させぬ!若手の包囲網に33歳不敵笑み

 「大相撲初場所・6日目」(18日、両国国技館)

 42度目の優勝を目指す横綱白鵬(宮城野)が平幕正代(時津風)を寄り切って初日から6連勝に伸ばした。元稀勢の里(現荒磯親方)が引退し、この日から鶴竜が右足首負傷で途中休場。一人横綱となり、平成最後の国技館を引っ張る。大関陣も不振の中、元気な若手とのV争いを歓迎。33歳の最強横綱がまだまだ世代交代を許さないことを宣言した。全勝を守った22歳の平幕阿武咲(阿武松)と2人がトップを並走する。

 一人横綱となった責任を力に変える。最強白鵬が正代を一蹴。踏み込み鋭く、左前ミツをガッチリ。もろ差しを許しても冷静に巻き替えて盤石に寄った。

 8秒4で圧倒。4日目の北勝富士、5日目の錦木と土俵際でもつれる薄氷の勝利をもぎ取ってきた。全休明けの影響で序盤は不安定ながらも星を拾い、中盤に入ってさすがの修正力。15日間の戦いを知り尽くす常勝横綱が流れを作ってきた。

 連勝街道を6に伸ばしてご機嫌だ。支度部屋では足のテーピングを外す付け人に「優しく扱わんか。彼女にやるように」とジョークを飛ばし笑わせた。場所前には3日間の断食を取り入れ、体を整えた効果は絶大。「体は動いてスピードがある」と自画自賛した。

 元稀勢の里が引退し、この日、鶴竜が途中休場。落ち着かない館内の雰囲気を感じたが「締めないといけない。引っ張っていかないとという気持ち」と神経は研ぎ澄まされた。大関も栃ノ心が休場し、高安、豪栄道も振るわない。全勝は11歳下の阿武咲と2人になった。33歳白鵬VS若手包囲網の図式。「全員調子がいい。こういう場所は初めてじゃないか。ライバル?あと(対戦が)残る若手全員」と不敵に笑った。

 世代交代の流れは不可避。「いずれそうなるだろうけど、(まだまだ早い)そういう気持ちでやらないと」と壁になる。「人間、若い人と接すると自分も若くなる。そうなりたい」と若いエキスを吸収し、迎撃する。

 道半ばで去った“戦友”元稀勢の里の思いも継ぐ。この日の朝稽古でも「後輩で若手で最後はライバルだった。磨いてくれて感謝している。素顔は本当に好青年」としみじみと話した。いずれは自身も指導者の道を視野。「これからが長い。先に(親方業を)経験して教えてもらえれば」と自身は土俵で踏ん張り続ける決意だ。

 故障に泣き、横綱としては輝けなかった元稀勢の里。今場所、白鵬が横綱というものの権威、強さを見せつけることが、戦友へのはなむけとなる。

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