地元広島悔し4位 王座奪回へ一時2位も首位争い絡めず

 「全国都道府県対抗男子駅伝」(20日、広島市平和記念公園前発着=7区間)

 第1回大会以来となる優勝を目指した広島は2時間20分38秒で、優勝の福島とは55秒差の4位だった。3区の吉田圭太(青学大2年)、4区の倉本玄太(世羅高2年)の力走で一時は2位まで順位を上げたが、トップとの差がなかなか縮まらず、最後まで優勝争いには絡めなかった。

 前回大会の12位から大きく順位を上げて4位入賞という結果を残した広島だが、岩本真弥監督(53)は複雑な表情を隠せなかった。

 「最低限の目標(8位入賞)はクリアしましたけど、もっと大きな目標を持っていただけに残念。昨年は豪雨災害もあったので、広島の皆さんを元気づける走りをと思っていたんですが、この結果をみれば微妙ですね」

 中盤までは想定通りのレース運びだった。1区の梶山林太郎(世羅高3年)は順位こそ23位だが、トップとは19秒差。2区の小江幸人(高屋中3年)が15位に順位を上げると、3区の吉田は区間3位の力走で一気に3位に浮上。「積極的なレースで粘ることができた。沿道の応援が力になった」。今季は出雲、全日本、箱根の大学三大駅伝全てで区間賞を獲得。その実力を地元で存分に発揮した。

 続く4区でも倉本が「吉田さんが作ってくれた流れに乗って走ることができた」と、区間2位の力走で2位に順位を上げ、23年ぶりの優勝へ後半勝負に持ち込んだ。しかし、5区の中野翔太(世羅高2年)が区間23位とブレーキを踏み、上位との差を縮めることができなかった。

 6区の塩出翔太(栗原中3年)、最終7区の藤川拓也(中国電力)も懸命にトップを追いかけたが、優勝には届かなかった。前回まで9年連続メンバー入りしていた鎧坂哲哉(旭化成)が海外遠征により外れ、人生初となるアンカーを担った藤川は「とにかくトップに追いつくためにリスクを冒して突っ込んでいったが、後半にバテてしまった」と悔しそうな表情を浮かべた。

 岩本監督は「残念な結果にはなったが、みんなよく頑張ってくれた」と選手の奮闘をねぎらい、来年に向けても「核となる高校生は残るので悲観することはないし、強化の筋道も間違っていない。我慢して上位争いを続けていれば、きっと(優勝の)チャンスは来る」と前向きな言葉を口にした。王座奪回への光は見えている。

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