張本智和が涙…連覇ならず スマッシュで追い込まれ「チョレイ」も出ず
「卓球・全日本選手権」(20日、丸善インテックアリーナ大阪)
男子シングルス決勝で、リオデジャネイロ五輪銅メダリストの水谷隼(29)が、大島祐哉(24)=ともに木下グループ=に4-2で勝ち、単独最多を更新する10度目の優勝を果たした。水谷は試合後、今回で全日本選手権への出場が最後になる見通しを明らかにした。2連覇を狙った張本智和(15)=エリートアカデミー=は、準決勝で大島に3-4で敗れた。
2連覇の夢は準決勝でついえた。張本はベンチで立ち尽くし、しばらく座り込んでしまった。「受け入れたくないし、受け入れても悔しいだけ。まさか決勝にいけずに終わるとは思わなかった」。目はかすかに潤んでいた。
大島にいきなり2ゲームを奪われた。バックハンドがことごとくネットにかかり、相手の強烈なフォアハンドからのスマッシュを前に、何度もポイントを許した。得点しても「チョレイ!!」の雄たけびが出ないこともあるほど追い込まれた。
「本当に苦しくて怖い大会だと感じた。相手が向かってきた。3月のカタール・オープンまで死ぬ気で練習します」
試合後はさすがに落ち込んだものの、そこは昨年、ワールドツアーの上位選手によるグランドファイナルでも頂点に立った15歳。水谷によると、全日本選手権からの引退を伝えた際、「ぼくのプレッシャーがすごいじゃないですか?」と返してきたという。水谷が成し遂げたように、張本も来年、王座を再びつかみ取る。