小林陵侑誓った!W杯札幌大会で凱旋V「ビッグジャンプ見て」
ノルディックスキー・ジャンプ男子で史上3人目の「ジャンプ週間」4戦全勝の完全優勝を達成した小林陵侑(22)=土屋ホーム=が22日、欧州遠征を終えて羽田空港に帰国した。今季は史上最多タイの6連勝を含むW杯9勝を挙げ、シーズン個人総合ランクでは断トツで首位を独走中。次のW杯札幌大会(26、27日)で凱旋Vを果たし、日本男子初となる個人総合王者を引き寄せる。
今最も勢いに乗る22歳が笑顔で凱旋した。「ジャンプ週間」史上3人目の完全優勝、史上最多に並ぶW杯6連勝と飛ぶ鳥を落とす勢いの小林陵は、空港で待ち受けた大勢の報道陣や一般客の姿を目にしてニヤリ。「今までの人生で一番多い。うれしいですね」と偉業達成を実感していた。
今季の“確変”の要因について「メンタル面もだし、ジャンプのレベルが平昌五輪から5段階くらい上がった」と語った。その証拠に、急に約30人の報道陣に囲まれ、10台近いテレビカメラを向けられても動じない。「今緊張してないっていうのが成長かな」といたずらっぽく笑った。
知名度は急上昇中で遠征中は海外選手やファンから「コバヤシ」と声を掛けられるようになった。所属の監督でもある葛西紀明(46)も海外人気が高いが、「監督は今でも『カサイ、カサイ』と言われているので、やっと並べたかなという感じですかね」と小林陵。胸を張ると同時に、これを長年続けているレジェンドの偉大さもあらためてかみしめた。
直近2戦は連続7位とさすがに疲労も隠せないが、今季の個人総合ランクは断トツ首位。1カ月ぶりの日本で「白米、ラーメンを食べたい」とリラックスできるだけに、週末の札幌大会で勢いを取り戻したいところだ。「たくさんの人にビッグジャンプを見てもらいたい」。期待を追い風に凱歌をあげる。