元関脇・豪風が引退「いさぎよく」関取100場所へあと2も…押尾川親方に
元関脇で東十両12枚目の豪風(39)=尾車部屋、本名・成田旭=が22日、現役引退を表明した。「悔いは一つもありません。こんなに気持ちのいい朝を迎えたのは初めて」と17年間の力士人生を全うした。年寄株「押尾川」を取得しており、引退後は親方として後進の育成にあたる。
負け越しが決まった前夜、悩み抜き、決断した。師匠の尾車親方(元大関琴風)に引退を申し入れ了承された。尾車親方は「(初土俵から通算)100場所で98場所も関取をやった。そんな力士は他にいない」とねぎらった。
関取100場所の夢は、あと2場所で果たせなかった。この日、部屋を訪れた豪風は「勝負の世界。甘くはない。勝負師としていさぎよく」と未練は断っての引き際となった。
秋田出身の豪風は中大で学生横綱に輝いた。02年夏場所、幕下15枚目格付け出しで初土俵を踏み、突き押しを武器に03年春場所で新入幕。年6場所制となった58年以降、最年長の35歳で初金星。35歳2カ月での新関脇昇進は戦後の最高齢。
元横綱稀勢の里(現荒磯親方)に続き、愛される力士がまた土俵に別れを告げた。