豪風「ここ1、2年理想の相撲取れなかった」笑顔で引退会見

引退会見で笑顔を見せる豪風=東京都墨田区の第一ホテル両国(撮影・出月俊成)
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 大相撲元関脇の豪風(39)=尾車部屋、本名・成田旭=が23日、都内で引退会見を行い「相撲道に向き合って、自分の(大きくない)体でどういう相撲を取れるか考えて今まで過ごしてきたので、大相撲では充実した素晴らしい時間を過ごさせていただいた」と、すがすがしく語った。17年間の力士人生を全うし、今後は押尾川親方として後進の育成にあたる。

 時折笑みもこぼれる和やかな引退会見となった。

 今場所は東十両12枚目で1勝8敗と負け越した後、引退を決断した。「一生懸命相撲を取ってきたが、ここ1、2年はなかなか思うような相撲を取れなかった。それでも理想の相撲を思い描いて稽古してきたが、やはり最後は理想としている豪風らしい相撲が取れず、体力の限界、気力の限界と言うことで引退させていただいた」と、あらためて理由を説明し、「辞めるときはいつか来ることなので日々覚悟してやってきたが、最後負け越して、ここが自分としての引き際かなと思って自分なりの潔さを出した」と話した。

 会見に同席した尾車親方は「(豪風に)初めて会った日のことから、活躍したときもあればケガをしたときもあって、いろんなことが思い浮かんで」と、弟子との思い出を述懐。「本当にこの(大きくない)体で相撲に全精力をかけて、稽古だけでなく巡業中も夜にジムを探してトレーニングをしたり、本場所でも稽古をしていた。豪風という力士が真面目に頑張ってくれたからこそ(弟弟子の)嘉風が続き、若手が続いている。私としてはいい弟子に巡り会えて良かったなという気持ちで思い返していた」とねぎらった。

 秋田出身の豪風は中大で学生横綱に輝いた。02年夏場所、幕下15枚目格付け出しで初土俵を踏み、突き押しを武器に03年春場所で新入幕。年6場所制となった58年以降、最年長の35歳で初金星。35歳2カ月での新関脇昇進は戦後の最高齢記録だった。

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