御嶽海、白鵬撃破で3横綱総なめ!35年ぶり快挙…立ち合いで圧力「足が出た」

 白鵬(右)を押し出しで破る御嶽海
2枚

 「大相撲初場所・11日目」(23日、両国国技館)

 5日ぶり再出場の小結御嶽海が全勝でV争いを独走していた横綱白鵬に土をつけた。左足を負傷しながら出足一気に押し出して波乱。三役残留へあと2勝に迫る大きな6勝目を挙げた。稀勢の里(現荒磯親方)、鶴竜に続く3横綱総なめで、関脇以下では84年春場所の大乃国以来35年ぶり。白鵬は初日からの連勝が10で止まった。関脇玉鷲が琴奨菊を押し出して2敗を守り1差に接近。3敗は休場の千代の国を除くと関脇貴景勝、平幕遠藤、魁聖の3人。

 まさかの波乱に館内は大熱狂し、座布団が乱舞した。殊勲の御嶽海は幾重ものテーピングで覆われた左足をひきずり、付け人に肩を借りながら、花道をゆっくりと引き揚げた。

 再出場いきなり結びで横綱白鵬戦。「予想していた。準備がしっかりできた」と冷静だった。慎重に立った横綱の隙を突くように正面から低く鋭く当たった。左足を前にしてぐいぐい押し込んで土俵外へ一気に運んだ。

 3秒5の速攻劇。「足が出た。立ち合いですべて決まるから」と作戦勝ち。相撲巧者が全勝横綱を止め、V争いを盛り上げた。関脇以下の3横綱総なめは大乃国以来、35年ぶり。「良かったんじゃないの」と喜んだ。

 今場所は初日から5連勝の好調が一転、6日目、妙義龍戦で左膝付近を負傷した。車いすに乗せられ、病院行き。「左大腿(だいたい)四頭筋腱部分損傷で2週間の安静加療」と診断された。「正直やばい」と本人も覚悟するほどの重傷だったが、驚異の回復力で土俵に戻って来た。

 休場中は中継を見て「悔しい。相撲を取りたい。見てるのが不思議な感じ」と心は燃えていた。「自分の相撲を見つめ直すきっかけになった。これも自分の試練。乗り越えたらいい」と糧にした。

 昨年名古屋場所で初優勝したが大関とりに失敗した。今年こそ大関を奪い、悔しさを晴らすのが目標。12場所連続で維持する三役を明け渡すわけにはいかない。「まだ終わっていない。気持ちでいく。しっかり残り4つ」。角界の世代交代を引っ張る第一人者が執念で戦い抜く。

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