大坂なおみ王手!日本勢初の全豪決勝 「逃したくない」クビトバ倒し時代築く
「テニス・全豪オープン」(24日、メルボルン)
女子シングルス準決勝で、四大大会2連勝を目指す第4シードの大坂なおみ(21)=日清食品=は、第7シードで元世界ランキング1位のカロリナ・プリスコバ(26)=チェコ=を6-2、4-6、6-4で下し、全豪では男女を通じて日本勢で初めて決勝に進出する快挙を達成した。現在世界4位の大坂は大会後に日本勢初の2位以内に浮上することが確定した。26日午後7時半(日本時間同日午後5時半)からの決勝で第8シードのペトラ・クビトバ(28)=チェコ=と初対戦する。勝てば悲願の世界1位に就く。
拝むようにラケットを両手で挟み込み、場内のモニターを見つめた。マッチポイントで放ったセンターへのサーブはフォールトの判定。大坂はすかさずビデオ判定を求めた。数秒後。ボールがわずかにラインに触れるサービスエースだったことを確認すると、両腕を突き上げ、笑顔を弾ませて、跳ねるように主審の元へと駆けた。「難しい試合だった。最後はボールが入るように会場中の力を集めていた」。注がれた大歓声に身を委ね、歓喜に浸った。
昨年の全米オープンを制し、凱旋(がいせん)試合となった東レ・パンパシフィック・オープン決勝で敗れたKa・プリスコバとの準決勝。実力者との一戦は、我慢比べの神経戦となった。
第1セットは、ラリー戦で相手が一歩も動けないほどの好ショットをライン際へ打ち込んで圧倒したものの、第2セットは、ミスをわずか3本にとどめた相手が流れを引き寄せた。甘く入った第2サーブを強打され、「ちゅうちょしてしまった」と心が揺らいだ。
それでも立て直せる頼もしさが、今大会の大坂にはある。第3セット。「少しでも落ち込んだり、敗北を受け入れたりしたら許さない」と自らに問いかけ、プレーごとに大きく深呼吸し、気持ちを整えた。0-1で迎えたサービスゲームで3度あったブレークの危機をしのぐと、続くゲームを1ポイントも与えずにブレークした。
勢いでタイトルをつかんだ全米とは違い、警戒される選手となっても精神面の成長を示し、苦戦を乗り越えてきた。3回戦の謝淑薇戦、4回戦のセバストワ戦はともに第1セットを落としながら、焦ることなく挽回して逆転勝利。一方で第1セットを先取した試合はこれで59連勝。今ならどんな展開になっても力を出し切れる。
決勝は四大大会2連勝、世界ランキング1位が懸かる。「ここで勝つことを夢見てきた。逃したくない」。実現する自信がある。だから強気に言い切った。2つの栄誉をつかみ取り、必ず笑顔で終えてみせる。