白鵬不覚…まさか連敗「勝負あったと思ってしまった」
「大相撲初場所・12日目」(24日、両国国技館)
1敗でトップの横綱白鵬を1差で追っていた関脇玉鷲が、直接対決を制して2敗(10勝)で並んだ。白鵬との14度目の対戦で初白星。年6場所制となった1958年以降では37歳の旭天鵬に次ぐ歴代2位となる34歳での初優勝も現実味を帯びてきた。関脇貴景勝、平幕魁聖、遠藤が3敗で追い、13日目は白鵬と貴景勝が対戦する。
白鵬が連日、まさかの不覚だ。2差をつけての単独トップ独走が悪夢の連敗で並ばれてしまった。過去13戦負けなしの玉鷲に厳しい攻め。気迫満点の張りを食らわせ圧倒したが土俵際、落とし穴にはまってしまった。
「勝負あったと思ってしまった。詰めが甘いね」と悔しげ。攻め急いだかとの問いに「どうだろうね。(体は)動いているんじゃないの」と必死に切り替えた。
前日は手負いの御嶽海に慎重になりすぎて完敗。場所中は数日に一度は休養日を入れる調整が通常ながら、この日、4日連続で朝稽古を敢行した。若い衆に股割りを指導したかと思えば、報道陣には人類の起源、人間に眠る力などに関し独自の見解、見識を披露。気持ちに余裕を感じさせていたが、悪い流れは変えられなかった。
13日目は先場所初優勝し、最も勢いに乗る22歳貴景勝を迎える。「また3日間、引っ張っていくだけ。いい相撲を取るだけ」と自らを鼓舞。目前と見られた史上最多42度目の優勝が一転、正念場だ。