玉鷲、白鵬破って2敗並んだ 14度目対決で初白星!あるぞ34歳初賜杯

 「大相撲初場所・12日目」(24日、両国国技館)

 1敗でトップの横綱白鵬を1差で追っていた関脇玉鷲が、直接対決を制して2敗(10勝)で並んだ。白鵬との14度目の対戦で初白星。年6場所制となった1958年以降では37歳の旭天鵬に次ぐ歴代2位となる34歳での初優勝も現実味を帯びてきた。関脇貴景勝、平幕魁聖、遠藤が3敗で追い、13日目は白鵬と貴景勝が対戦する。

 遅咲きの34歳が一世一代の大仕事をやってのけた。玉鷲は、白鵬との10年春場所の初対戦から14度目の挑戦にしてうれしい初星。乱舞する座布団。やまないどよめき。「やっぱり気持ちいいですね。(相手は)大横綱ですから」と夢見心地で喜びをかみしめた。

 「え、勝ったの!?って第三者(の視点)で見てました」。立ち合いから張られ土俵際まで追い込まれたが、俵の上を伝いながら左からいなすと横綱が一回転。「早く押さなきゃ!」。チャンスを逃すまいと無我夢中に追撃し、屈指のパワーで一直線に押し出した。

 04年春場所のデビューから休場は一度もなく初土俵からの連続出場1148回は現役最長記録だ。若い頃はケガをしても一晩寝れば治るようなタフガイだったが、30代に突入すればそうもいかない。16年名古屋場所で右膝を負傷、17年秋場所は右足首を捻挫するピンチに見舞われた。ただ、片男波親方(元関脇玉春日)から「休むか?」と聞かれても首を縦に振らなかった。

 狙った獲物は逃がさない“鷲の習性”が鉄人化の秘けつだ。「(玉鷲は)自分で勝手にニンジンをぶら下げている」と師匠。稽古は真面目な分、遊ぶことも大好き。ケガした場所もその後に家族旅行を予定していたといい「本人もどうしても(場所後に)遊びたいから休まない」と笑う。

 玉鷲は既に上位との対戦を終えているため、34歳での初賜杯のチャンスも出てきたが、「意識したらだいたい良くないので」と気負わない。残り3日。今場所後は特に予定はないというが、優勝の美酒という最高のご褒美が待っている。

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