大坂なおみ世界1位!四大大会連続V 感無量「何を言おうか忘れてしまった」

 「テニス・全豪オープン」(26日、メルボルン)

 四大大会第1戦、全豪オープンの女子シングルス決勝で大坂なおみ(21)=日清食品=がペトラ・クビトバ(28)=チェコ=を7-6、5-7、6-4で下して初優勝し、昨年の全米オープン初制覇に続く四大大会2連勝の快挙を達成した。大会後に男女シングルスを通じ、アジア勢初の世界ランキング1位となることも決定。優勝賞金410万豪ドル(約3億2300万円)を獲得した。四大大会2連勝は2014~15年に全米からウィンブルドンまで4連勝したセリーナ・ウィリアムズ(米国)以来となった。

 最後は力で押し切った。5-4で迎えた第3セット第10ゲーム。40-15からセンターに打ち込んだ高速サーブはクビトバのラケットをはじいた。日本勢初の全豪オープン制覇、四大大会連続優勝、そしてアジア選手初の世界ランキング1位。割れんばかりの大歓声が注がれる中、大坂はその場にしゃがみ込んだ。「信じられない気持ち」。頬には大粒の涙が伝う。これまで味わったことがない歓喜が全身を貫いた。

 2時間27分、フルセットにもつれ込んだ死闘を制した。

 相手はウィンブルドン選手権を2度制した名手。左利き特有の外へと切れていくサーブに苦しめられた。第1セットは、5度のブレークポイントをしのぎ、チャンスを待った。今大会自身初のタイブレークでは、相手の最初のサーブでコースを読んで、ライン上に強烈なバックハンドのストレート。会心のリターンエースで流れをつかみ、押し切った。

 第1セットを奪うとここまで59連勝。必勝パターンに持ち込んだはずの第2セットで落とし穴が待っていた。5-3で迎えた相手サーブの第9ゲームで3本のマッチポイントを握りながら5連続失点でこのゲームを奪われた。思わずラケットを地面に投げつけそうになるほど心が乱れた。それでも「ちゃんと現実に向き合わなければ」と集中。このセットを落としたものの、最終セットはきっちりと気持ちを切り替えた。

 この1年で簡単には崩れない強いメンタルを身に付けた。昨年9月の全米オープン中にはライバルの動向を気にすることも多かったが、父レオナルドさんに「誰もが自分の道がある。他人と比べてはいけないよ」と諭されたことで、自分のプレーに徹するようになった。その後も助言を支えにツアーで結果も出し、自信を深めたことで好機が来るまで我慢する忍耐力もついた。以前のように大崩れする大坂はもういない。

 四大大会の女子シングルスで初優勝から連続優勝は史上6人目の快挙だ。世界ランク1位となり、ライバルのマークは今後ますます強まるだろう。それでも守りに入るつもりは毛頭ない。「全仏も優勝したい。どのトーナメントでもいいプレーをしたい」。これからもおごらず、謙虚に、アグレッシブに歩み続ける。そして到来した「大坂時代」を確固たるものにする。

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