貴景勝の大関昇進見送り 「もう1場所見せていただきたい」と審判部長
「大相撲初場所・千秋楽」(27日、両国国技館)
関脇貴景勝(千賀ノ浦)が大関豪栄道(境川)に敗れ、4敗目を喫した。2場所連続Vも逃し、勝ち星は11勝どまり。昇進案件を管轄する審判部の阿武松部長(元関脇益荒雄)は「もう1場所見せていただきたいと思います」と今場所後の大関昇進を見送ることを明言した。
貴景勝は昨年の秋場所は小結で9勝。優勝した同年九州場所は小結で13勝を挙げていた。今場所、14日目で11勝目を挙げた時点で、大関昇進の目安とされる三役での3場所合計33勝に到達。ただ、2場所連続での優勝争いを評価する声がある一方で、昇進には慎重論もあり、この日の一番に注目が集まっていた。
阿武松審判部長は、この日の全ての取組が終わった後、「もう1場所見せていただきたいと思います」と審判部としての見解を示した。豪栄道戦に勝っていれば、優勝したか、しなかったかの結果によらず、大関昇進を決める理事会の開催を要請するつもりだったと明かした上で、来場所が明確に大関とりの場所となるかとの質問には「そうです」と言い切った。
見送りとなった主な理由として、「起点が9勝で始まってますし、何のそういうもの(批判や異論)がなく昇進してほしいものですから、もう1場所見させていただきたいと思います」とした。さらに、新関脇になったばかりで、三役としての実績もまだまだこれからな部分があったため、「三役での実績というものはどうしても加味されるかも分かりませんね」とした。
「いろんな審判部の親方の意見を聞かせていただいての決定ですので」と重ねた阿武松審判部長は、来場所に大関昇進を決められる目安となる勝利数については「ちょっと答えられません。すいません」とした。