瀬古リーダー「久々にショック」精鋭そろうも…MGC挑戦権獲得1人だけ
「大阪国際女子マラソン」(27日、ヤンマースタジアム長居発着)
20年東京五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」出場権を持つ小原怜(28)=天満屋=が日本人トップの2時間25分46秒で全体2位だった。中野円花(27)=ノーリツ=は2時間27分39秒の4位でMGC出場権を獲得。しかし実力者がそろった大会でMGC出場権の獲得者がわずか1人という状況に、日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(62)は失望感を口にした。優勝は2時間25分39秒のファツマ・サド(エチオピア)だった。
ズルズル下がるタイムに比例するように、瀬古リーダーの肩もテンションも、ガックリ落ちていった。レース後の会見、瀬古氏は開口一番「はい。あ~~。テンション低いです」と意気消沈。「久々にショックです」と落胆を隠さなかった。
当然だろう。今大会はリオ五輪代表の福士、田中智ら実力者が出場。大森ら新星の台頭も期待された。「走る前は4、5人(MGC獲得者が)出るんじゃないかとワクワクドキドキ」だったというが、最終的には中野だけ。MGC内定者は想定15人を下回る9人だ。日本陸連の河野匡長距離マラソンディレクター(58)も「リオ五輪代表がMGCに入ればレース自体の緊張感が高まる。東京五輪へいい経験になると思ったが」と残念がった。
また瀬古氏は日本人トップの小原についても「優勝はしてほしかった。詰めが甘い」と辛口。全体的な失速の原因を問われると「実力と言ったらおしまいだが落ち込みがひどすぎる」「何が悪いか僕には分かりづらい」などと嘆き節だった。
「何が足りないか分析していきたい。五輪まで1年半。やりかたによっては間に合います」と瀬古氏。寒風吹きすさぶなにわ路で、かねて課題としてきた女子の選手層の薄さをあらためて露呈した。