松田力也「平尾ヒゲ?」伏見工の大先輩ほうふつ 代表SOへサンウルブズで強化
スーパーラグビーに参戦する日本チームのサンウルブズ(SW)は31日、千葉県市原市内での第3次合宿は4日目を迎えた。SO松田力也(24)=パナソニック=はSWでアピールして、日本代表でのレギュラー奪取につなげる思いを明かした。チームは2月1日に市原合宿を打ち上げ、3日からオーストラリア・メルボルンでの直前合宿を行い、同16日の開幕戦(シンガポール)に備える。
「必要なのはゲームコントロール、状況判断。そこは頭に置きながら、でもただ言われたことをやるだけでなくて、チャンスメークをしたり、何を考えているか分からないというところだったりを強さにしたいので、うまく考えながらやっていきたいです」。
3次合宿打ち上げを前にして、松田は熱い思いを口にした。9月に開幕するラグビーW杯日本大会。日本代表はSW組と、2月から始動する日本代表候補組に分かれて、さらにメンバーを入れ替えながら強化を進める。SW組は強豪との実戦を積む利点がある。
松田は日本代表ではSOとして期待されるが、パナソニックではCTBでのプレーが多い。それだけに、「10番(SO)として圧倒的にゲームタイムが少ない。高いレベルで10番としての経験を、ということで今がある。このレベルでパフォーマンスを出してレベルアップにつなげたいと考えています」と南米の強豪との対戦で、W杯に通用する進化を遂げる思いだ。
日本代表のSOは田村優(キヤノン)がレギュラーとして君臨する。一方でSWにはU-20ニュージーランド代表歴もある名手ヘイデン・パーカー(神戸製鋼)がいる。参考としながらも、超えなければならない2つの壁だ。
「2人とも違う良さがあって。例えばヘイデン・パーカーだったらキックがうまいですし、優さんだったらゲームコントロールのところ。追い越すというつもりでやっていますけど、まねをするのではなくて、自分の色を出してやっていきたい」。
うっすらと口ひげを蓄えて合宿に臨む。濃さは違えど、伏見工の大先輩で、同じSOとして日本代表を引っ張った故・平尾誠二さんを思い起こさせる。「平尾ヒゲ?」と聞かれて「いいっすね」と即答。チャンスメーク。予測不能のプレー。自分の色を出して壁を越えた時に、懐かしいヒゲの10番が、W杯で躍動する。