小林陵侑V10…日本歴代単独3位 葛西の助言で6戦ぶり吹っ切れV

 6試合ぶりの優勝でW杯10勝目を挙げた小林陵侑(共同)
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 「ノルディックスキー・W杯ジャンプ男子」(2日、オーベルストドルフ)

 フライングヒルで行われ、小林陵侑(22)=土屋ホーム=が427・0点で6試合ぶりに優勝し、今季、通算ともに10勝目を挙げた。W杯のシーズン10勝達成は史上9人目の快挙で、20日に開幕する世界選手権(オーストリア)へ弾みがついた。通算勝利数は17勝の葛西紀明(土屋ホーム)、15勝の船木和喜(フィット)に次ぐ日本歴代単独3位に浮上した。

 小さな変化が結果を大きく左右するのがジャンプの醍醐味(だいごみ)だ。1日は14位で今季初めて2桁順位に終わった小林陵はブーツを新品に替えて試合に臨んだ。前日よりも20メートル前後も飛距離を伸ばし、0・5点差で6試合ぶりに表彰台の中央へ。「やっぱりちょっとのことで変わる競技なんだな。まさか勝てるとは思わなかった」と歓喜に浸った。

 開幕から絶好調だったが、1月12日の個人第12戦を最後に勝利から見放されていた。試合を重ねるうちに靴がへたり、軟らかくなっていた。宮平ヘッドコーチによると、新しい硬いブーツを用いると「スキーを体にうまく寄せられる」という。飛び出しで素早く板を引き上げて滑空姿勢に移る持ち味がよみがえり、高さのある飛行曲線でヒルサイズに迫った。

 小林陵は前日まで「うまく飛べないことにいらだっていた」と明かす。所属先の監督を兼任する葛西に「どうやって飛んでいいか分かんない」と相談すると「そんなに悪くないから、何も考えずに飛べ」と諭された。

 この助言で気持ちが吹っ切れたことも大きかった。この日は予選も含めて3回とも会心の内容。200メートルを超える飛距離で争うフライングヒルで初めて頂点に立ち「今日のところは上出来」とご機嫌だった。

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