紀平梨花 左手薬指の診断は脱臼も前向き「どうにかなれば」
「フィギュアスケート・四大陸選手権」(7日開幕、アナハイム)
欧州以外の国・地域が参加し、7日(日本時間8日)に開幕するフィギュアスケートの四大陸選手権の公式練習が6日、米アナハイムで行われた。5日の練習で左手薬指を痛めた紀平梨花(16)=関大KFSC=は「指節間関節(第2関節)の亜脱臼」との診断を受け、出場の方針を固めた。練習ではトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2度着氷した。男子の宇野昌磨(21)=トヨタ自動車=は、昨年末の全日本選手権から計3度右足首を捻挫したと明かした。
不安をかき消すように力強く氷を蹴った。前日に左手薬指を負傷した紀平は、5日夜は休養を優先し、6日の早朝6時から現地の病院でレントゲン写真を撮影。チームに帯同する医師が「左手薬指第2関節の亜脱臼」と診断した。昨年1月に負傷し、完治まで3カ月を要した古傷だが、コーチや本人とも話し合い、患部を固定しての出場を決めた。
午前の練習は通院の影響もあり約15分遅刻。中指から3本を固定していた。指は踏み切る際に力を込める重要な部位だけに、1回転から入念にジャンプの感覚を確認。すると午後の練習リンクでの調整で本領を発揮した。
スピンでエッジを左手でつかむことなども考慮し、固定は薬指と小指の2本に変更。フリーの曲かけ中に跳んだアクセルジャンプは2本ともダブルアクセル(2回転半)だったが、練習終盤でトリプルアクセルを2度着氷した。ショートプログラム(SP)から大技を導入する可能性もある。
アイシングなどで腫れは引き始め、受傷直後に「結構ヤバイ」と表現した痛みは徐々に軽減しているという。診断前には「どっちにしろ痛いのは痛いので、どうにかなればって。頑張ります」とも話していた紀平。少しでも万全に近づけて本番を迎えたい。
日頃から練習で不安を消化した上で試合に臨むよう努める“完璧主義者”。そこで襲われたまさかのアクシデント。進む先は“未知数”だらけだが、困難を乗り越え、16歳はさらに強くなる。