坂本「幸せ」2位発進 四大陸史上初連覇へ首位と0・55点差
「フィギュアスケート・四大陸選手権」(7日、アナハイム)
欧州以外の国・地域が参加して行われ、女子ショートプログラム(SP)は昨年女王で全日本選手権覇者の坂本花織(18)=シスメックス=が自己ベストを更新する73・36点で、首位テネル(米国)と0・55点差の2位につけた。GPファイナル女王の紀平梨花(16)=関大KFSC=は、冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が1回転となるなど点数が伸びず、68・85点。5・06点差、5位からの大逆転を誓った。三原舞依(19)=シスメックス=は65・15点で8位。
ピカイチの安定感で全日本女王の誇りを示した。「やばいくらい緊張した」という坂本だが、全ての要素で加点がつくほぼ完璧な演技を披露。最後のスピンで若干ふらつき「バカなことをした」と苦笑いを浮かべるも、ISU公認大会自己ベストの73・36点に「きょうの出来は98%」と笑顔でうなずいた。
「練習でやってきたから大丈夫と思って、強気で臨んだのが良かったのかな」。地道に重ねてきた努力が実りつつある。全日本選手権後は、普段は少しだけ餅を食べるなど正月を満喫するが、今年は自らの意思で節制。女王の自覚を新たにし、今大会を迎えた。
上位3選手が出席する会見の冒頭では、多くの海外メディアの前で「とても幸せです。この結果に満足しています」と英語で対応。語学力向上を目指しているのかと思いきや「会見の前に調べておいた」とにやりと笑った。もちろんその後の質疑応答は全て日本語で答えたが、堂々たる語り口調に大物っぷりが強くにじみ出た。
今大会は男女を通じて連覇者がいない。首位のテネルとはわずか0・55点差だが、今季のフリーのベストは坂本が5点以上上回っている。「フリーは自分のできる限りの精いっぱいを出して、自己ベストを更新したい」と坂本。持ち味を十二分に発揮すれば、初の偉業も決して夢ではない。