紀平V跳び宣言 ケガで準備不足5位発進…大逆転へ「絶対」決めるトリプルアクセル

 「フィギュアスケート・四大陸選手権」(7日、アナハイム)

 欧州以外の国・地域が参加して行われ、女子ショートプログラム(SP)は昨年女王で全日本選手権覇者の坂本花織(18)=シスメックス=が自己ベストを更新する73・36点で、首位テネル(米国)と0・55点差の2位につけた。GPファイナル女王の紀平梨花(16)=関大KFSC=は、冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が1回転となるなど点数が伸びず、68・85点。5・06点差、5位からの大逆転を誓った。三原舞依(19)=シスメックス=は65・15点で8位。男子SPは宇野昌磨(21)=トヨタ自動車=が91・76点で、首位のゾウ(米国)と8・42点差の4位発進した。田中刑事(24)=倉敷芸術科学大大学院=は83・93点で7位、友野一希(20)=同大=は74・16点で12位だった。

 心は決めたはずだった。しかしわずかな不安と迷いが演技に表れた。3回転半を狙った冒頭。空中で体が開き、1回転半になった。「あのミスは、起こってもおかしくないような練習量だった」と紀平。進むべき道が定まっていなかった。

 5日(日本時間6日)の公式練習中に左手薬指第2関節を亜脱臼。その後の練習は、患部を固定した中で跳ぶ感覚を確かめ続けた。試合前日に着氷したトリプルアクセルはわずか2本。7日朝の公式練習でも2本のみだった。直前の6分間練習でも成功はなし。普段は何より多くの時間を費やすトリプルアクセルへの準備が、明らかに足りていなかった。

 また負傷による「怖さはなかった」とは言うが、踏み切りで力を込める際の「気持ち悪さ」や「『握りたい』という気持ち」はあったという。メンタルにも隙があった。

 首位とは5・06点差。それでも“逆転圏内”と思えるのは、トリプルアクセルがあるからだ。今季はNHK杯、フランス杯ともにフリーでSPのミスを挽回し逆転優勝。カギはやはりアクセルだった。今季フリーでは大半の試合で2本のトリプルアクセルに挑んでおり、2本決めれば逆転の可能性は高まる。現段階では「1本は絶対」とし、公式練習後に決断するが、刀は研いでこそ輝きを増す。練習量を増やし“宝刀”に磨きを掛けていく。

 この日の演技直前、浜田美栄コーチからは「真のチャンピオンになるにはこういう試練も必要」と諭された。「今の経験を生かして(フリーは)決められるように頑張りたい」。真の女王へ、いばらの道を突き進む。

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