女子団体追い抜きで日本V 昨季から負け知らずも進化目指す
「スピードスケート・世界距離別選手権」(8日、インツェル)
女子団体追い抜きで高木美帆(24)=日体大助手、高木菜那(26)=日本電産サンキョー、佐藤綾乃(22)=高崎健康福祉大=の日本が2分55秒78で優勝した。日本は昨年の平昌五輪に続く頂点で、この大会は2015年以来2度目の制覇。女子500メートルで小平奈緒(32)=相沢病院=は37秒20の2位となり、国内外での連勝が37で止まった。バネッサ・ヘルツォーク(オーストリア)が初優勝し、曽我こなみ(日本ハウスH&R)が3位に入った。
世界一を決めるレースでオランダに危なげなく勝った。一昔前なら快挙だが、日本の女子団体追い抜きのメンバーに浮かれる様子は全くなかった。高木美は「100パーセントには遠い。うまくリズムをつくれなかった」と序盤の加速の課題を口にした。世界のトップを走り続け、さらなる進化をにらむ姿には風格が漂った。
好記録を出したオランダの次の組に登場した。中盤はオランダの通過タイムに後れを取ったが、乱れることのない足並み、洗練された先頭交代で落ち着いてレースを運ぶと、昨年の平昌五輪と同じように、終盤の粘りで逆転。オランダを含む欧州各地から駆けつけた大勢の目の肥えた観客が、うなずきながら拍手でたたえる盤石のレースだった。
今や、昨季から負け知らずの常勝チーム。それでも高木菜は「他国のレベルも上がっている。うかうかしていられない」と語る。佐藤も「何度滑っても毎回課題が見えてくる。まだ伸びしろはある」と頼もしい限りだった。