野中生萌が国内2冠 体感気温5度の中、タンクトップで力強く駆け上がった!
「スポーツクライミング・スピードジャパンカップ」(10日、モリパークアウトドアヴィレッジ)
3種目の複合で争われる東京五輪に向けて、高さ15メートルの壁を登る速さを競うスピードの第1回大会が行われた。女子はボルダリングの18年W杯年間総合女王の野中生萌(みほう、21)=XFLAG=が、決勝で伊藤ふたば(16)=TEAM au=を破り、1月のボルダリングに続いて国内2冠を達成した。男子はスピードを専門とする池田雄大(21)=千葉県山岳連盟=が初代王者に輝いた。
かじかむ指先も気合でねじ伏せ、15メートルの壁を力強く駆け上がった。決勝では伊藤と中盤まで互角の展開だったが、最後はパワーの違いを見せつけて突き放した。ボルダリングに続いて2冠。スピード初代女王に輝き「第1回大会で、特別感があったし、うれしい。今年こんなにいいスタートが切れるなんて」と、満面の笑みを浮かべた。
2月の屋外での試合。雪こそ免れたが、決勝トーナメントが行われた午後は曇り、体感気温は5度を下回った。それでも野中はただ1人、タンクトップ姿で登り続けた。「スポンサーのロゴが入っているのがジャケットかタンクトップしかなくて」と笑ったが、五輪でメダルを狙う女子のエースとして、覚悟の違いを見せつけた。
8月には五輪出場権も懸かる自国開催の世界選手権(八王子)が控える大事な1年。「やるべきことをしっかりやっていきたい」。1つ1つ着実に壁を乗り越えていく。