池江璃花子が白血病…ショック振り払い公表 東京あきらめない!強くなった姿見せる
競泳女子で18年アジア大会6冠の池江璃花子(18)=ルネサンス=が12日、「白血病」と診断されたことを自身のツイッターで公表した。詳しい病状は不明だが、今夏の世界選手権(韓国・光州)代表選考会を兼ねる4月の日本選手権(東京)は欠場し、治療に専念する。日本水泳連盟はこの日、緊急会見を開催。上野広治副会長(59)は「非常に厳しい道になると思うが、(池江が)2020年の五輪選考会に再び立てるよう温かく見守っていただきたい」と語った。
誰もが耳を疑うような大激震が競泳界を襲った。東京五輪のヒロイン候補として大きな期待を受けている池江が、白血病を患っていることが明らかになった。「私自身、いまだに信じられず、混乱している状況です」。5種目で日本記録を持ち、昨夏のアジア大会では史上最多の6冠と無限の将来性を秘めた18歳。ツイッターの文面からはショックもうかがえるが、「しっかり治療をすれば完治する病気でもあります」と前向きにつづった。
異変が起きたのはオーストラリア・ゴールドコーストでの合宿中だった。1月18日に出発し、2月10日に帰国を予定していたが、帯同していた三木二郎コーチ(35)によれば2週目の練習から異変が表れたという。「今までに見たことのない呼吸で、肩で息をするような場面があった」。2月4日に現地の医療センターで血液検査を受け、予定より2日前倒しの8日早朝に緊急帰国。その日のうちに都内で入院し、再検査の結果「白血病」という残酷な診断が下された。
前兆はあった。昨年12月の米フラッグスタッフでの高地合宿から帰国後は練習のタイムが上がらず、19年初戦となった1月13日の大会では得意の100メートルバタフライで自己ベスト(56秒08)から4秒以上遅い1分0秒41でゴールした。レース後は「自分でもビックリするくらい遅かった」と話し、「体のだるさを感じることが多くなっている。昨年に比べるとだいぶ疲れの抜けが遅くなっている感じ」と明かしていた。
今週末に出場予定だったコナミ・オープンをはじめ、4月の日本選手権も欠場し治療に専念する。ただ、医師からは「早期発見ができた」と説明を受けたといい、上野氏は「水泳をしていたことによって異変を感じ、血液検査に至って(白血病の)疑いが見つかった。通常の生活では見つからなかったのではないか」と付け加えた。
まずは治療が優先。池江自身が最大の目標にしている東京五輪に向けては険しい道のりになる。19年度内に参加標準記録を突破した上で来年4月の日本選手権に出場し、同大会で、日本水連が設定する派遣標準記録を突破して2位以内に入ることが条件だ。
それでも希望は捨てていない。病気の公表を決断したのも池江自身の意向で、上野氏は「(診断から)1時間しないうちに前向きな発言が出てきている。この病名を発表することも、彼女なりの決断だと判断いただきたい」と説明した。
本人のコメントは、病気に打ち勝つ強い意志で締めくくられた。「1日でも早く、また、さらに強くなった池江璃花子の姿を見せられるよう頑張っていきたいと思います」。明るく、強く、美しい天才スイマーの完全復活を誰もが待ち望んでいる。