紀平梨花 日本勢初3冠へ試金石 片方銀だった靴のエッジ両方金に
フィギュアスケート世界選手権(3月20日開幕、さいたまスーパーアリーナ)を前に、今月の四大陸選手権を制した女子の紀平梨花(16)=関大KFSC=と昨年の平昌五輪4位の宮原知子(20)=関大=が15日、大阪府高槻市の関大たかつきアイスアリーナで練習を公開した。前戦はスケート靴のエッジ(刃)の色が左右で金と銀だった紀平だが、この日は左右とも金のエッジに変えて調整。宮原は練習で成功こそなかったがトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に挑戦するなど、攻めの姿勢を見せた。
公開練習の終盤に跳び始めたアクセルジャンプは1回転半、2回転半となかなかタイミングが合わなかった。終盤になってようやく5本を決めたが、苦心した理由は前向きなもの。紀平は「左足のエッジが銀だったのを金に戻した。エッジの位置を調整していました」と明かした。
希代のジャンパーはスケート靴の消耗が早い。昨年末の全日本選手権でも軟化した足首部分にテープを巻くなど苦労した。四大陸でもエッジの左右の高さが微妙に合わず、大会前にトリプルアクセルを踏み切る左だけ本来の金エッジを予備の銀に急きょ変更。左右バラバラの色のエッジで臨んでいた。しかし、世界選手権で“金”は逃せない。14日夜に右のエッジも新たな金に付け替え、この日が調整初日だった。
今季の国際大会はここまで5戦5勝。次戦はチャレンジカップ(21日開幕、オランダ)を予定し、その後は米国・コロラド合宿で最終調整する。「調子を落とさず、自信を持って世界選手権に挑むため、まずオランダでいい成績を残したい」と紀平。「一番重要な試合は世界選手権。そこで勝たないと」。GPファイナル、四大陸、世界選手権の3冠を達成した日本選手は男女とも過去にいない。自国のファンが見守る大舞台へ、16歳は「感謝の気持ちを演技で表したい」と誓った。