高橋英輝 執念の5連覇で世界選手権代表に内定
「陸上日本選手権・20キロ競歩」(17日、六甲アイランド甲南大周辺コース)
今秋の世界選手権(ドーハ)代表選考会を兼ねて行われ、男子は高橋英輝(26)=富士通=が1時間18分0秒、女子は岡田久美子(27)=ビックカメラ=が日本歴代2位の記録となる1時間28分26秒で優勝。高橋、岡田はともに5連覇で派遣設定記録を突破し、世界選手権代表に内定した。15年世界選手権50キロ競歩銅メダルで、今大会が引退レースだった谷井孝行(35)=自衛隊=は12位だった。
終盤は三つどもえの戦い。2位の池田向希(東洋大)は昨年の世界チーム選手権個人金メダル、3位の山西利和(愛知製鋼)はジャカルタアジア大会銀メダル。強豪ぞろいのレースは残り2・5キロ付近で若い池田が仕掛けた。「20メートルくらい離された」と高橋。しかし「チャンスをうかがいながら粘った」と再び並び、残り500メートルで池田を振り切った。執念の勝利。ゴール後は倒れ込んで立ち上がれないほど消耗した。
昨年1月に右大腿部を疲労骨折。8月のアジア大会までは故障を抱えて出場を続けた。痛みのせいで「フォームを崩して、なかなか治らなかった」と悪循環に陥り、9月から11月まではリハビリに励んだ。
世界陸上では、日本人最上位で3位以内に入れば2020年東京五輪代表に内定する。これまで夏場のレースを苦手にしてきたが、「リハビリで(体の)仕組みを勉強した。普段のトレーニングも考えるようになった。それを(夏場に)生かさないと」と味わった苦境をプラスに変えるつもりだ。