大相撲初場所で初優勝した関脇玉鷲（３４）＝片男波＝が１７日、愛知県蒲郡市の天桂院を訪れ、元横綱玉の海の墓前に優勝を報告した。玉の海以来、４８年ぶりに片男波部屋に賜杯。横綱在位中、病のため２７歳で急逝した偉大な先人の眠る故郷でさらなる飛躍を期した。

　墓前で手を合わせ数分、目を閉じた。「感謝、お礼の気持ちを伝えたかった」。優勝を呼んだのが１２日目、横綱白鵬戦での逆転勝ち。土俵際、体を弓なりにして粘った姿は玉の海をほうふつ。天国から手を貸してくれた。

　新弟子のころ部屋にある優勝額を毎日磨くのが役目だった。「掃除をやって良かった。（天国から）来てくれた」と、笑みを浮かべた。大関とりにも意欲十分。「またいい報告がしたい。少しでも力を借りて」と、７月の名古屋場所前に再び朗報を届けるつもりだ。

　玉鷲は休場ゼロで現役最多１１５１回出場を誇る。実は玉の海も無休で引退した。鉄人魂を継承していることを知ると「やった。同じところがあった」と大喜び。自身も引退までフル出場を墓前に約束した。