デイリースポーツ制定「２０１８年度ホワイトベア・スポーツ賞」の表彰式が１７日、東京都千代田区の第一ホテルアネックスで行われた。昨年９月に行われた柔道の世界選手権（バクー）で史上初のきょうだい同時優勝を果たした男子６６キロ級の阿部一二三（２１）＝日体大＝と女子５２キロ級の阿部詩（１８）＝兵庫・夙川学院高＝がそれぞれ初受賞。また、今年１月に引退したレスリング女子五輪３連覇の吉田沙保里さん（３６）には特別功労賞が贈られ、表彰式では阿部きょうだいに対し「気持ちを強く持ってほしい」とメッセージを送った。

　阿部一二三も“王者道”を極めた吉田さんに最敬礼した。「五輪、世界選手権で１６連覇なんて本当に心が強くないとできない。僕は今２連覇していて、それがいかにすごいかがわかる。僕もそれくらいの選手になりたい」。自身は連覇を達成した昨年の世界選手権以降、グランドスラム（ＧＳ）大阪、ＧＳパリと黒星が続き、王者の苦しみを味わっているだけに、金言が響いた様子。「最後は自分自身との勝負になると思うので、自分を信じて頑張りたい」と気持ちを新たにした。

　阿部一が最も尊敬し、現在は自身のマネジメント会社の代表取締役でもある野村忠宏さんも過去に２度ホワイトベア賞を受賞している。「小学生時代からずっと憧れの人。五輪で３連覇していて、自分も五輪で勝つことが夢なので」。最強への“登竜門”である白クマのぬいぐるみを手にし、「光栄でうれしい。妹にも負けないようにきょうだいで頑張っていきたい」と進化を誓った。