小林陵侑V11…シーズン記録は史上6人目 別格の強さ見せつけた
「ノルディックスキー・W杯ジャンプ男子」(17日、ビリンゲン)
小林陵侑(22)=土屋ホーム=が146メートル、144メートルの合計274・4点で圧勝した。今季、通算ともに11勝目を飾り、シーズン11勝は史上6人目で、日本勢では前例がない。また表彰台は今季16度目で、国際スキー連盟によると、1998~99年シーズンの船木和喜(フィット)の15度を上回り、日本男子のシーズン最多記録を樹立した。
別格の強さだ。小林陵が一人だけヒルサイズ前後のジャンプを2回そろえ、飛距離換算で2位に12メートルの大差をつけた。2万人超の観客が悲鳴にも近い歓声を上げ、場内放送は「スバラシイ」と日本語でアナウンス。熱く盛り上がる会場の中で本人だけは「集中していいジャンプができた」と涼しい表情だった。
「アプローチ(助走姿勢)がうまく組めた」と小林陵。宮平ヘッドコーチによると、1カ月ほど前から助走で「お尻が(全勝優勝した)ジャンプ週間の時より下がっていた。動きにくいポジションにいた」という。試合前に「そこだけ気をつけるように」と助言すると、小林陵はきっちりと修正し、大ジャンプに結びつけた。
日本男子初の個人総合優勝は早ければ世界選手権後にある3月10日の次戦で決まる。20日に始まる世界選手権での日本人初の個人2冠について「今の状態でいければ、可能性はある」と宮平コーチ。歴史を塗り替え続けるエースは「気持ちよく(世界選手権に)入れそう」と不敵に笑った。