サンウルブズ あと1点惜敗 愚直に前へ前へ 一丸スクラムに手応え

後半29分、3点差に迫るトライを決めたファンデンヒーファー(14)を祝福するサンウルブズの選手たち
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 「スーパーラグビー、サンウルブズ30-31ワラタス」(23日、秩父宮ラグビー場)

 善戦、及ばず。日本チームのサンウルブズ(SW)は昨季4強で、先発にオーストラリア代表経験者12人を擁する強豪ワラタスと対戦。前半をリードして折り返し、逆転されて8点を追う展開から1点差まで詰め寄る大健闘を演じた。日本代表式を織り込んだスクラムでは屈強な相手を何度も押すシーンを演じ、日本代表候補のプロップ山下裕史(33)=神戸製鋼=は収穫を口にした。

 押した。8人が1つになったスクラムで、常に優勢を保った。象徴的だったのは前半15分、自陣残り10メートルで迎えた相手スクラム。愚直に前へ前へ。押し切ってボールを奪取し、大ピンチを見事に切り抜けてみせた。

 「100点やと思います。うまくいったという感じ。プレッシャーをかけられた」。満面に笑みを浮かべたのは山下。「8人が1週間やってきたことが出せてよかった」と一丸タックルを強調した。

 チームによって個性の異なるスクラム。SW流のスクラムを練習する中で「ちょっとずつ、SWのFWコーチ(のスクラム)に、プラスして日本代表の組み方を入れている感じですね」と明かした。

 フッカー坂手とともに、昨秋練習した日本代表流エッセンスを注入。山下は「まとまり方であったり、個人のところも」とニヤリ。“互いの肋骨(ろっこつ)が開く”と形容されるほど強固に体を密着させる一丸スクラムが、強豪に通用することを証明した。

 善戦。惜敗。「接戦は記録に残らない。白星か黒星だけ」と悔やむ。日本代表強化の役割も担うSW。勝利を求める先に、代表がある。

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