小平、総合首位発進 第二の故郷で「応援力に」500mで1位、1000mで4位
「スピードスケート・世界スプリント選手権」(23日、ヘーレンフェイン)
前半の2レースが行われ、女子で2年ぶり2度目の総合制覇を目指す小平奈緒(32)=相沢病院=が500メートルで1位、1000メートルは4位となり、総合首位に立った。500メートルで4位、1000メートルで2位だった高木美帆(日体大助手)が総合2位。男子は新浜立也(高崎健康福祉大)が500メートルで1位となり、5位の1000メートルと合わせ総合4位、1000メートルで2位に入った山田将矢(日大)が総合5位につけた。大会は2日間で500メートルと1000メートルを2度ずつ滑り総合で争う。
総合トップに立った小平を地元メディアが取り囲む。やりとりはオランダ語だ。ソチ五輪でメダルに届かず、失意の中で武者修行に出た先が欧州のスケート王国だった。第二の故郷で「応援を力に滑ることができた」。500メートルの連勝が37で止まった直後の大会が聖地ヘーレンフェインというのも、巡り合わせだろうか。敗戦を糧にできる心の強さを、満員の観客に示した。
2位に終わった2週間前の世界距離別選手権まで2年以上負け知らずだった500メートル。「冷静に何が悪かったのかを振り返る自分と、仕方ないって楽観的に思う部分と、二つをうまく整理できた」と、負けを引きずらずに氷に立った。100メートルを10秒33の好タイムで通過し、最後まで力みのない滑りを披露。連勝を止められた強敵ヘルツォークを0秒04差で抑え、再び指定席に座ってみせた。
世界記録を持つ1000メートルは4位にとどまったが、2年ぶりの頂点へ総合でのリードは守った。昨年は最後の1000メートルを体調不良で棄権し2連覇への挑戦が終わった。今回も連戦で「100パーセントではない」という状態で、五輪女王の底力が試される。