小平奈緒が2年ぶり2度目の総合V 表彰台で涙…「五輪の金メダル超える」
「スピードスケート・世界スプリント選手権」(24日、ヘーレンフェイン)
女子の小平奈緒(32)=相沢病院=が2年ぶり2度目の総合優勝を果たした。高木美帆(24)=日体大助手=が2位。スケート大国の表彰台に日本女子2選手が並び、黄金時代の到来を印象づけた。男子で初出場の新浜立也(22)=高崎健康福祉大=が総合2位に入り、日本男子として9年ぶりに表彰台に上がった。
スプリンター世界一を決める大舞台で若手の挑戦を退けた。主戦場の短距離で覇権を譲れない小平。決して万全ではなかった2年前の覇者は「大きな失敗なくまとめられた。自分の特徴を生かせた4レース」と2度目の総合優勝を誇った。
500メートルの連勝が37で止まった世界距離別選手権から2週間で見事に気持ちを立て直した。2回目の500メートルは37秒41と1回目からタイムを落としたもののトップ死守。4レース目にして前日を上回るタイムを出した1000メートルは、レース後に明かした左股関節痛を感じさせない滑りだった。
世界距離別の500メートルを制した23歳のヘルツォークに、今回は2度の500メートルできっちり雪辱した。1000メートルではスプリント能力を増す高木美に2度とも後れを取ったものの、総合得点は危なげなく勝利。日本の後輩の台頭を認めつつ「それぞれに持っている価値が違う」との言葉に、短距離の女王の自負をにじませた。
レースを終え、渡された日の丸を持って滑る顔に笑みが広がる。かつて自らを鍛えたオランダで満員の観客の拍手を浴び、表彰台では涙が出た。喜びは「五輪の金メダルに匹敵するか、超えるくらい」。全ての力を振り絞り、タイトルを奪回した。